緑茶の効能は心身に幅広く影響を与えます。その中で、近年注目を集めているのが「認知症の予防」です。高齢化が進む現代において、認知症は重要な問題です。65歳以上の高齢者のうち、7人に1人が認知症と推計されています。
このような状況において、緑茶がなぜ認知症の予防に役立つとされているのか解説します。
目次
緑茶のカテキン類に認知症予防の効果が期待できる
緑茶の効能として認知症の予防が注目されている一番の理由は、カテキン類という成分です。マウスを使った実験を行った結果、カテキン類には以下のような効能があることが分かりました。
・学習能力の低下を予防する
・記憶する能力の低下を予防する
・脳組織の萎縮を抑制する
・脳細胞が酸化してDNAが損害することを抑制する
・アルツハイマー病に対して作用する
これらの効能が認知症の予防につながると期待されています。
認知症にはいくつかの原因があり、アルツハイマー病はその中でも特に多いものです。そのアルツハイマー型認知症にも作用をもたらすことが、マウスによる実験によって報告されています。
緑茶のテアニンにも認知症予防の効果が期待できる
認知症を悪化させる要因として懸念されているのが、ストレスです。ストレスは以下のような理由で認知症を進行させることがあります。
・脳を委縮させてしまう
・脳の老化を加速させてしまう
中高年層~高齢者がうつ病を発症したり、不安感や抑うつといった状態が続いた場合、将来的に認知症を発症するリスクが高まるおそれがあります。それほどストレスと認知症は切っても切れない関係があるのです。
そこで注目したいのが、緑茶のテアニンという成分です。テアニンとはアミノ酸の一種です。上質な緑茶にほど多く含まれており、以下のような効果効能が期待できます。
・ストレス解消
・リラックス作用
・睡眠の質の向上
・更年期障害の緩和
テアニンが脳内に入り込むと、心身をリラックスさせる「α波」という脳波の出現頻度が高まります。そのため、ストレスの解消やストレスにともなう心身の不調に効果的なのです。
脳をストレスから守るために、緑茶を飲みましょう。それが認知症の予防につながる可能性があります。
緑茶の認知症予防で報告されている例
緑茶には認知症の予防の効能があるのかは、日本だけでなく世界中で調査されています。現在では、以下のような例が報告されています。
・緑茶を1日2杯以上飲む人は、週に3杯以下しか飲まない人と比べて認知障害に該当する人の割合が少ない
・毎日緑茶を飲む人は認知症や認知障害(軽度)のリスクが6~7割低下する
・緑茶を1日5杯以上飲む人は、ほどんど飲まない人と比べると認知症リスクが約3割低下する
数字にはわずかな差があるものの、定期的に緑茶を飲み続けている人は認知症のリスクが低下している点は共通しています。
緑茶の効能で認知症の予防するためには
認知症の予防するためには、毎日どれくらいの緑茶を飲めばいいのでしょうか。緑茶の認知症に対する効能が注目されたのは最近のことということもあり、はっきりとした量は決められていません。
緑茶にはさまざまな効果効能がありますが、成分が豊富ために摂りすぎるとかえって体に悪い影響を与えることもあります。たとえばカフェインの影響を受けやすい人は、利尿作用でトイレが近くなったり、寝つきが悪くなったりすることがあります。
そのため、ただたくさん飲むのではなく、まずは1日2杯程度から飲み始めてみましょう。カフェインの影響に問題が内容であれば、量を少しずつ増やすなど調整してみてください。
緑茶の効能 新たに認知症予防が注目まとめ
手軽に摂取できる緑茶が認知症予防に役立つのは嬉しいですね。体に無理をかけない範囲で、緑茶を飲む習慣を作り始めましょう。