カフェインは緑茶の主成分のひとつです。カテキン類に次いで緑茶に苦味をもたらす成分であり、コーヒーや紅茶といったほかの嗜好飲料にも含まれています。
緑茶のカフェイン含有量は、茶葉の種類によって異なるのでしょうか。また、コーヒーなどと比べると含有量は多いのでしょうか。ここでは、こうした緑茶のカフェイン含有量の疑問について解説します。
目次
緑茶のカフェイン含有量をコーヒーや紅茶と比較
まずは緑茶のカフェイン含有量をほかの嗜好飲料と比べてみましょう。ここでは100gあたりのカフェイン含有量を比較します。なお、緑茶のカフェイン含有量は、さまざまな茶種の平均値となります。
・緑茶のカフェイン含有量:約3g
・コーヒーのカフェイン含有量:1.3g
・紅茶のカフェイン含有量:2.9g
・烏龍茶のカフェイン含有量:2.4g
カフェインが多く含まれている飲み物というと、苦味が強いコーヒーという印象が強いですが、実は緑茶の方がカフェイン含有量が多いことが分かります。
また、同じお茶類であっても緑茶のカフェイン含有量が多いのは、緑茶が不発酵茶であるためです。茶葉は発酵させると、カフェイン含有量が減っていきます。そのため、茶葉を発酵させている烏龍茶や紅茶は、緑茶よりもややカフェイン含有量が少なくなるのです。
これらは原材料そのもののカフェイン含有量となります。そのためお湯で抽出すると、カフェインの一部がお湯に溶けだして私たちの体に取り込まれることとなります。
緑茶のカフェイン含有量を茶種ごとに比較
つづいて、玉露や煎茶といった緑茶の茶種ごとにカフェイン含有量を比較します。なお、カフェイン量は『5訂食品標準成分』に基づき計算されており、抽出の条件は茶葉によって異なります。
お茶一杯あたりのカフェイン含有量が多い順に紹介します。
・ほうじ茶のカフェイン含有量:24㎎(茶葉15gをお湯650mlで抽出)
・玉露茶のカフェイン含有量:19.2㎎(茶葉10gをお湯60mlで抽出)
・煎茶のカフェイン含有量:16㎎(茶葉10gをお湯430mlで抽出)
・番茶のカフェイン含有量:12㎎(茶葉15gをお湯650mlで抽出)
・釜炒り茶のカフェイン含有量:8㎎(茶葉10gをお湯430mlで抽出)
抽出条件を見ると、玉露茶だけお湯の量が極端に少ないことが分かります。これは少量のお湯でもお茶を淹れられることを示しており、それだけカテキンがお湯に溶けだしやすいと考えられます。
そのため、ほかのお茶と同じ量だけの玉露茶を飲むと、それだけカフェインを多く摂取してしまう可能性があることを知っておきましょう。
カフェインは1煎目に最も多く抽出される
同じ茶葉で何度もお茶を淹れる場合、もっともカテキンが多く含まれているのは最初に入れる1煎目です。その後はカテキン含有量が減るため、味にも変化が起こります。
カフェインがある程度含まれている緑茶は、苦味とともにさわやかな飲み心地が感じられます。しかし、カフェインが減ってカテキンの比率が高くなると、さわやかさが減って苦味と渋味が強くなります。
緑茶のカフェイン含有量まとめ
緑茶のカフェインは、お茶ならではの美味しさをもたらしますが、摂り過ぎると体に悪い影響を与えることもあります。代表的なのが覚醒作用による睡眠障害と、トイレが近くなる利尿作用です。
質の良い睡眠が得られないことは、日中の作業効率を低下させるおそれがあります。また、利尿作用によって体に必要な水分まで奪われると、ひどい場合は脱水症状を起こすこともあります。カフェインの過剰摂取に注意して、緑茶を味わってくださいね。